考えるということ

「ちゃんと考えて」への対処法3 ~考える環境が整っていないへの処方箋~

考えるためには環境が大事

 自分ではしっかりと考えているつもりなのに、上司から「ちゃんと考えて行動してほしい」と言われてしまうのはなぜなのかを、「ちゃんと考えて仕事をして」と言われるのはなぜ?」に書きました。

 このページでは、
 ⇒「ちゃんと考えて仕事をして」と言われるのはなぜ?
 に書きました下記の4つのパターンのうち、3つ目の「考える環境が整っていない」を解説します。

 1.難しすぎて思考停止
 2.悩んでしまっている
 3.考える環境が整っていない
 4.考えることが定まっていない
 5.気づかない

体の環境と脳の環境を整える

 考えたいのに周りが騒がしいとか、考えたいのに脳がパニック状態とか、そんな状態でじっくり考えるのは難しいですよね。しっかり考えるには環境が整っていることが欠かせません。

 周囲の環境を整えたほうが考えやすいことは理解しやすいのですが、脳の環境についてあまり意識していないことが多いものです。

 考えやすい場所に移動し、自分の気持ちを散らしてしまう外部要因(雑音や触れているものなど)を排除し、周囲の環境を整えたら、今度は心の環境を整えなければいけません。

 ここでは、脳の環境を中心に解説します。

脳の疲労を解消する

 脳は外から入ってくる情報を取り入れては瞬時に選別しています。現代社会はインターネットの普及により、触れることができる情報が格段に増えました。それにより、脳は常に情報の洪水にさらされ疲労しやすい環境にあります。

 脳が疲れていると、考えるための力が減ってしまい、うまく思考を展開することができなくなります。これが脳疲労の状態です。

 脳はぼーっとしている時も休んではいません。意識という邪魔が入らないうちにと溜まった情報を整理しています。

脳疲労を引き起こす行動とは

 毎日スマホの画面を長時間見ていませんか?
 SNSのやり取りは多いですか?
 ネットニュースを毎日必要以上に見ていますか?

 こんなふうに、特にデジタル情報に触れる機会が多い方は、知らず知らずのうちに脳が疲労し、仕事や日常生活に影響が出ている可能性があります。「デジタル認知症(スマホ認知症)」という言葉があるほど、デジタル機器は脳に負担をかけ、疲れさせてしまいます。

脳疲労を防ぐ方法とは

 まず、脳が浴びる情報量を意識して減らすことで脳への疲労の蓄積を防ぐことができます。脳の処理能力を超える情報量を浴びせることで脳が疲れてしまっているので、受け取る情報量を調整するのです。

 とはいってもなかなか難しいこともあるでしょう。そんな時は瞑想がお勧めです。瞑想と言っても宗教的な意味合いで良いのではありません。瞑想は、今や世界のビジネスリーダーたちも実践する科学的に良いと認められた方法なのです。

 落ち着ける場所で静かに目を閉じ、自分の呼吸に集中したり、自分と自分以外の境目(椅子に触れている部分や地面に触れている部分)に気持ちを向けます。ポイントは自分と利害関係のある全てのものから気持ちをそらし、今この時間、今この場所にいる自分自身に気持ちを集中することです。

 1日10分でも、5分でも、効果を実感できるでしょう。瞑想は次にご紹介する「ワーキングメモリがいっぱい」への対処法としても有効です。

脳のワーキングメモリがいっぱい

 ワーキングメモリとは、脳の作業記憶(作業注意)のことで、要するに脳の作業場です。
 脳は主にこの作業場で考えを展開しています。今自分がどんな状況にあるかを把握したり、見たり聞いたりしたことから自分に必要な情報を選んだり、スムーズに会話したり、感情をコントロールするなど、私たちが社会生活を送るうえでの重要な役割を担っています。

 しかし、高度な処理が可能な故か、その容量は極めて小さいのが欠点です。作業場で一度に記憶しておける量は、電話番号くらいが精いっぱいで、例えば20ケタのランダムな数字を5分間覚えておくとしたら難しいことは感覚で理解できるでしょう。

 ワーキングメモリを忙しい状態にしていると、すぐに容量オーバーとなり、考えることができなくなります。
 ※ワーキングメモリについては別途解説予定です。

ワーキングメモリの容量が減ってしまう理由

 例えば、心配事がある時やお腹がペコペコなとき、トイレに行きたい時、痛みがある時などに、何かを判断、決断しようとしてもうまく考えはまとまらないでしょう。
 これは、ワーキングメモリの容量がそれらの心配事や緊迫感のあることで圧迫され、ほとんど使えなくなっているためです。

 このほかにも、やらなくてはならないことが多いとき、テレビや雑音など、何かに気を取られているときもワーキングメモリ容量は圧迫されます。

ワーキングメモリの容量を確保するには

 解消する方法としては、まず、腹ペコやテレビを消すといった「今解消できること」積極的に解消します。

 そして、すぐに解消することのできない「やらなくてはならないこと」や「この先の予定に関すること」は、メモとしてアウトプットして、自分の中で覚えておかなければいけないことを減らし、脳内の整頓を行ないます。
 メモにして全体を把握するだけでもワーキングメモリに余裕が生まれます。

まとめ

考えるためには心の環境を整える必要があります。
脳疲労を回避し、ワーキングメモリに余裕を持たせると、考えが前に進みやすく、まとまりやすくなるでしょう。