ポイントはなぜ3つがいい?
よく、ロジカルシンキングに関する解説で、「ポイントを3つに絞って伝える」と言われますよね。ロジカルシンキングでなくとも、ビジネスに関する本でも目にします。
例えば営業の際、オススメしたい商品をお客様が購入した時、どんないいことがあるかを3つに絞って話すとか、サービスの魅力を3つ話すとか、とにかく3という数字を目にします。
なぜ3つなのでしょうか?
「3」は脳に合わせた数字
「3つ」ではなくて、「5つ」でも、「8つ」でもよさそうなのに、なぜ「3つ」なのでしょうか。
ここには、人の脳のしくみが関係しています。
面接官が「当社の8つの特徴」を話し出したら?
もし、あなたがA社に面接に行ったとします。すると、面接官が「当社には8つの特徴がありまして…」と話しだしたらどう感じますか?
「8つは多くない?」、「覚えられん…」、「頭がごちゃごちゃしてきた…」、「話が長い…」、「え?つまり何が特徴なの?」
こんなふうに感じるのではないでしょうか。
なぜ「8つ」が多いと感じるのでしょうか。
それはまず、「覚えられん…」ことが大きく関わっています。人の脳は8つの特徴を覚えることは困難です。もちろん、ある程度時間をもらえれば覚えられます。テスト勉強のように復唱したりノートに書いたり、頭に叩き込むことは可能です。しかし、面接はその場で起こっていることですから、ノートに書くわけにもいきません。
さらに、8つもあると、覚えられないせいもあり、頭がいっぱいいっぱいになりごちゃごちゃしていきます。さらに、その状態で話を聞いているので、長く感じ、結局何が言いたかったのかわからなくなっていきます。そして、「え?つまり何が特徴なの?」状態に陥るのです。
「え?つまり何が特徴なの?」状態の脳
「え?つまり何が特徴なの?」状態の脳は、頭の中がいっぱいいっぱいになっています。正確に言うと、脳の前頭前野にあるワーキングメモリという一時記憶装置がパンクしている状態です。人は11ケタの電話番号を一時的に覚えるのにも必死です。紙に書いてある電話番号に電話を掛けようと思ったら、おそらくたいていの人は紙を手に持ってピピピッと数字を入力するでしょう。自身を持って覚えておけないからです。これほど脳の一時記憶装置は容量が小さいのです。
こんな小さな一時記憶装置に、「8つの特徴」を入れ込むのは不可能です。「え?つまり何が特徴なの?」状態の脳は、覚えようと必死になっているのに覚えられず、脳が悲鳴を上げているのです。
脳の一時記憶装置は原則3つまで
人の脳の一時記憶装置に詰め込める量は3つまでと思っておくほうが無難です。人により個人差はあるものの、たいてい3~4個で一時記憶装置はいっぱいになります。
覚えやすいように工夫をすることでこの数を増やすことはできますが、まずは3つと考えておいた方が聞きやすい話を組み立てられるかと思います。
「3つ」がいいもう1つの理由
脳の一時記憶装置が3つまでしか覚えられないのが原因だとしたら、「2つ」ならもっと覚えやすいはずです。
「白菜と、照り焼き用のブリの切り身を人数分と、わさびのチューブのやつを買ってきて」より、「白菜と照り焼き用のブリの切り身を人数分買ってきて」のほうが覚えやすいです。
それなのになぜ「2つ」ではなく「3つ」なのでしょうか。
人は少ない情報では不安になる
特徴やポイントが2つだと、ちょっと少ないなと感じるのが人の脳です。たとえば、子供用のドリルにはよく「本書の特徴」や「学習のコツ」なんかが書かれていますが、たいてい3~5項目です。2項目では中身が物足りないかもしれないという印象を与えてしまうかもしれません。10項目もあるとこれは手に負えない本だと感じさせてしまうでしょう。3~5項目くらいが人の脳に一番安心感を与えるのだと考えられるのです。
本の特徴であればそこに書いてある文章なので5項目でもいいですが、口頭で伝えるとしたら5項目はちょっと多いと考えておくといいでしょう。
まとめ
脳の一時記憶装置がパンクせず、安心感を満たす特徴やポイントの数は「3つ」!