ロジカルシンキングにつきものの「なぜ?」
ロジカルシンキング(論理的思考)の本や、サイトを見ると、必ずあげられる項目が、「疑問を持つ」とか、「なぜ?と考える」というもの。もちろん、このブログでも書いています。
「なぜ?」を掘り下げることで考えが深まり、論理的に考えられるようになるのは、ロジカルシンキング(論理的思考)の本やサイトが書いている通りです。
しかし、本当に「なぜ?」で思考を深堀りできているのでしょうか?
この、「なぜ?」には、3つのパターンがあります。1つは、思考を前に進めていく「なぜ?」、2つ目は、方向を完全に間違えた「なぜ?」、もう1つは、行き止まりに行きついてしまう「なぜ?」です。
方向を間違えた「なぜ?」とは?
たとえば、「月に旅行に行けるようになったとします。行きたいですか?」と聞かれたとします。その答えと、どうしてそう思ったのかを「なぜ?」と繰り返し自分に問いながら進めてみてください。
月に行きたい!意見の「なぜ?」で考える
上手くいった「なぜ?」の例
「月に行きたい!」
「なぜ?」
「面白そうだから」
「なぜ面白そう?」
「だって、地球以外の星に行ける」
「なぜ地球以外の星に行けるのが面白い?」
「違う大地を、違う重力を感じられる。未知の体験ができる」
こうやって、だんだんと思考が進んでいる「なぜ?」は正しい使い方です。
これを進めていくことで、自分が考えていることを頭の中で整理でき、論理的に話せる材料が出来上がっていくはずです。
上手くいった「なぜ?」の例2
次はどうでしょうか。
「月に行きたくない」
「なぜ?」
「怖いから」
「なぜ?」
「だって、飛行機だってドキドキするのに、宇宙船なんて気絶してしまう」
「なぜ宇宙船が怖い?」
「安全面が不安だから」
「なぜ安全面が不安?」
「ロケットだって発射を失敗している。月に行くのはきっと命がけ。すごく安全になったとしても、きっと事故はゼロにはならないから、怖い」
やや感情的で論理的でないと感じられるかもしれませんが、論理的であること、感情的であることは、相反する関係ではありません。怖い理由が示されているので、言っていることに筋道は通っています。
方向を間違え、最後には行き止まりにたどり着いた「なぜ?」の例
では、次はどうでしょうか?
「月に行きたくない」
「なぜ?」
「金がない」
「なぜ金がない?」
「安月給だから」
「なぜ安月給?」
「会社に聞いてほしい」
完全に話の方向がおかしくなっています。「なぜ?」で深堀りしたいのは、「月に行きたくない理由」です。しかし、これでは「お金がない理由」を深堀してしまっています。
さらに、最後には自分以外のところに思考を曲げてしまうことで、ここで思考停止を選択してしまっています。「会社に聞かないとわからない」に到着してしまうと、これ以上「なぜ?」と聞いても「さあ?」、「会社のことはわからないし?」と考えることすらできなくなってしまいます。
このように、方向を間違えたり、行き止まりにたどり着いてしまうと、それ以上「なぜ?」と考えても得たい答えにはたどり着けなくなってしまいます。
「なぜ?」は使い方を間違えると行き詰まる
思考を深めてくれるはずの「なぜ?」という問いかけは、適切に行えば自らの考えを論理的にまとめるために役立ちます。
しかし、考えていきたい方向からそれてしまと、いつの間にか「何を考えているんだっけ?」と本来の問いかけとはかけ離れたことを考えてしまいます。
もう1つ、「なぜ?」の答えが相手によるとか、自分では動かせない理由がによる場合、これ以上進めなくなります。するとそこで「これ以上考えても仕方ない」と考えることを止めてしまうでしょう。
こんな時はもう一度思考を遡って、考えられるところから考えてみるとよいでしょう。