ロジカルシンキング周辺脳力

例題を、ロジカルシンキングとラテラルシンキングの2パターンで考える

ロジカルシンキングとラテラルシンキングの両方で考えてみる

 ラテラルシンキングとは、水平思考のことで、「「ロジカルシンキング」と「ラテラルシンキング」の違いとは?」でご紹介した能力です。

 ここでは、1つの例題を、ロジカルシンキングとラテラルシンキングそれぞれを使って考えていきます。

例題で2つの考え方をしてみる

 ブドウ、モモ、バナナ、リンゴが1つずつあります。5人で誰もが納得するように分けたいのですが、全員この中では「リンゴの蜜が多い部分」が好きです。どうすればいいでしょうか?

ロジカルシンキングで考える

ブドウ、モモ、バナナ、リンゴが1つずつある

5人とも「リンゴの蜜が多い部分」が好き

5人ともが納得するためには、一番好きなリンゴの蜜が均等にわからなければいけないだろう

リンゴの蜜が全員に均等にわたるように切ることができれば平等に分けることができる!
リンゴの蜜が均等なら、納得してくれるだろう

ラテラルシンキングで考える

ブドウ、モモ、バナナ、リンゴが1つずつある

5人とも「リンゴの蜜が多い部分」が好き

5人ともが納得…というより文句が出なければいい

そもそも蜜があるから不平等が目立つ

全てミキサーにかけてジュースにしたら、全員にそっくりのものを渡せるのだから平等だし、少なくとも不公平は感じないだろう

ロジカルシンキングとラテラルシンキングの思考の進め方の違い

 ロジカルシンキングは「積み木を丁寧に積み上げる」ように考えていくので、「4つの果物がある」、「5人が納得するように分ける」、「5人ともが大好きなリンゴの蜜は均等にわたるようにする」と、1つずつ思考を前進させていきます。

 一方のラテラルシンキングでは、「積み木を転がしたり違う色に塗ったり」と、そもそもの常識を疑い、違う視点から考えようとします。ですから、「4つの果物がある」、「5人が納得するように分ける」という条件から、「同じなら誰も文句は言わない」という視点を持ち、「果物をそのまま渡さなくてもいい」という思考を展開しました。

 この、果物をジュースにするという発想は、ラテラルシンキングの例として有名なので、ここでも使わせていただきました。

ロジカルシンキングとラテラルシンキングの両方の視点をもつには?

 ロジカルシンキングは垂直思考、ラテラルシンキングは水平思考ですから、イメージとしては、ロジカルシンキングはまっすぐ進む思考です。一方のラテラルシンキングは進み方を全く気にせず、時にワープしてもいいし、前提を無視しても構いません。自分の中にある記憶のあらゆるところとリンクさせるように、様々な角度から考えていきます。

 ビジネスのほとんどの場合は、ロジカルシンキングで考えるほうが理にかなっており、確実に成果を上げることができるはずです。しかし、新しい何かを生み出したい時、ラテラルシンキングが突破口を開くことも珍しいことではありません。

 何かを考える時、「ロジカルに考えると?」、「ラテラルに考えると?」と意識してそれぞれに考えてみると、思考の幅は確実に広がります。

 ロジカルシンキングとラテラルシンキングはどちらが優れているわけでもなく、どちらが正解というわけでもありません。ただ、どちらの考え方も実践できるようになると、「考えるスキル」が格段に上がることは確かです。

 このサイトには、ロジカルシンキングとラテラルシンキングの両方を使いながら解いていけるロジカルパズルも掲載しています。ぜひ楽しんでいただければと思います。