ロジカルシンキングとラテラルシンキング
ロジカルシンキングは論理的思考(論理思考)のこと、一方でラテラルシンキングとは水平思考のことを指します。
水平思考とは何でしょうか?
ラテラルシンキングとは水平思考のこと
ラテラルシンキング(水平思考)とは、固定概念とか、常識的な枠組みとか、積み上げてきた経験など、思考を制限する事柄を取り払って考えてみるという思考法です。
より自由に発想を飛ばして大胆に考えていくラテラルシンキングは、斬新なアイデアを生み出したいときに役立ちます。
ロジカルシンキングとの関係は?
ロジカルシンキングは縦方向に積み上げたり掘り下げたりして思考を進めていきます。対するラテラルシンキングは、横方向に思考を広げていく考え方です。
ロジカルシンキングでは、事実や客観性、確からしいこと、原因などが考える根拠として求められますが、ラテラルシンキングの場合はそれらは必要ありません。反対にそれを一切考えないようにして、想像を膨らませ、発想を飛ばし、バカだなと思えることでも気にせず考えていくことで、新たなステージを目指します。
ロジカルシンキングとラテラルシンキングは異なる思考法ですが、組み合わせることで威力を発揮します。
駅の長い改札の例では
例えば、駅の改札を思い浮かべてください。あの形に疑問を持ったことがあるでしょうか。カードをかざしたり切符を入れたらすぐにパカっと道は空きますが、なんであんなにゲートが長いのでしょうか? そこに受付の人がいて何かをチェックするならわかりますが、誰もいないのに長いのです。荷物が多いと通りにくいですよね。あれは、処理に時間がかかるためだそうです。運賃を計算するのにはそれなりに時間がかかるのです。その時間を「待っている」と感じさせないために数歩だけ歩いてもらっているのです。
もしかしたら、「自動改札機を長くする」にたどり着く前にこんなことを考えたかもしれません。
・改札の処理時間をどう縮めるか?
・待ち時間数秒は、故障でなく待ち時間などわかってもらうために、スマホのように何か表示させるか?
・並ぶ列側にガイドポールを立てて、人波に押されないようにする?
・待ち時間短縮のため、自動改札機の台数をどこまで増やせるか?
ここまではロジカルシンキング(論理的思考)の範疇です。事実を積み上げ、問題点を解決する方法を探っています。
しかし、そんな中、ラテラルシンキング(水平思考)で考えた解決法が登場します。
実際は「待っていて」も、「待っていると感じない」ならいいのではないか? 例えば、駅まで徒歩で5分かかる場合、電車に乗るまで5分待たなければとは思わない。だから、たった数秒なのだから「徒歩数秒」に変えればいい。
・改札の形を長くして歩いてもらえばいいのでは?
ですから、今後さらに処理速度が向上して切符が不要になりICカードの計算が高速になったら、あの長い改札機は形を変えることになるはずです。
ラテラルシンキングの利点とは
先ほどの改札の例ですと、ロジカルシンキングで考えると、処理を短くするとか、数を増やすことで対処する方向に思考が傾きやすくなります。
ラテラルシンキングなら、そういう当然と思われる思考からあえて目をそらし、一見不便と思われるような方向でもいいので考えてみることができます。
ロジカルシンキングで考えても打開策が見つからないとき、ラテラルシンキングを意識してみると、また違った思考が展開できるでしょう。思考は縦にも横にも進めることができます。
どちらかの考え方がどうも苦手だという方は、それぞれの力を鍛えるパズル本なども出ていますので、チャレンジしてみてもいいかもしれません。